絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

神経膠腫(グリオーマ)

症状は2つに分類されます。

ひとつは脳の圧力が高くなり生じる症状です。これは脳腫瘍ができることによって、脳が浮腫んだ結果、固い頭蓋骨の中で圧力が高くなる、頭蓋内圧亢進症状(ずがいないあつこうしんしょうじょう)と呼ばれています。頭痛(とくに起床時から1~2時間がとくにひどい)や、むかつきを繰り返すことが特徴です。また一時的に目の前がかすんでしまう(目の前にレースのカーテンがひかれたような感じがある)症状もあります。

もう一つは、グリオーマができているところの脳の働きが障害されて発生する症状です。この症状はさまざまですが、手足や顔の動きが麻痺したりやバランス障害(ふらつき)、呂律がまわらない、物の名前がすぐにことばにできないなどが代表的です(図)。また、突然、手足のけいれんや気を失って気づかれることもあります。あまり多くはありませんが、20~50歳代で物忘れがひどい、おかしな行動・言動がみられるなども要注意です。

松前光紀著「脳腫瘍の理解」クリニカルスタディvol.29,no.14,2008年 メヂカルフレンド社

イラスト:北原 功

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