慢性硬膜下血腫
手術が基本です。脳の表面に溜まった血液は、硬く固まった血液ではなく、どろどろした血液です。ですから、全身麻酔をかけて大きく頭を開ける必要はなく、局所麻酔で頭蓋骨に開けた小さな孔から治療を行います。管を血液の溜まっている脳の表面に滑り込ませ、血液を洗い流して、そのまま管を脳の表面に残して手術を終わります。管から残った血液を暫くのあいだ流す処置が、病棟で行われます。
たいていの場合、一回の手術で血液は取り除けますが、まれに複数回の手術が必要であったり、とても治りにくい場合に全身麻酔の手術が必要となる場合もあります。
手術が何らかの理由で行えない場合、お薬による治療法が選ばれる場合もあります。五苓散(ごれいさん)と呼ばれる漢方薬が、この慢性硬膜下血腫に効くことがあります。五苓散は手術後、残った血液の退きが悪い場合にも使われます。
お年寄りが軽く頭をぶつけた後、しばらくして具合が悪くなった場合、頭の断層写真を撮りましょう。