絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

脳動脈解離

脳動脈解離は、時間の経過とともに数ヶ月で自然に修復されることもあります。手術は、くも膜下出血の場合と、解離性脳動脈瘤が増大し続ける場合に行います。

頭痛の場合

血圧の管理と安静で治療します。特に、発症2週間以内はくも膜下出血のリスクもあるため気をつけます。脳動脈解離の状態をMRAで経過観察します。改善すれば治療は終了になりますが、高血圧があれば引き続き治療を続けます。脳動脈解離の膨らみ(解離性脳動脈瘤)が増大する場合は、くも膜下出血予防のために手術を行うこともあります。

脳梗塞の場合

循環改善のため点滴を行い、血圧を管理します。血管が細く脳梗塞が進行する危険がある場合は、血液を固まりにくくする抗血栓薬を使うこともあります。

くも膜下出血の場合

血管を閉塞する手術を行います。手術は血管の中からのカテーテル治療と、頭を開いて行う開頭手術があります。いずれも解離した血管を解離部とともに閉塞して再破裂を防ぎます。解離した部分は血管の壁が脆いため、通常の脳動脈瘤のように膨らみだけを閉塞して血管を残しても再破裂予防になりません。

未破裂の解離性脳動脈瘤が増大した場合

くも膜下出血と同様の治療になります。ただし、最近はステントを使用して、血管を残したまま膨らんでいる部分だけをコイルで閉塞する治療を行うこともあります。

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