絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

脊髄空洞症

キアリ奇形に伴う脊髄空洞症の場合、最も有効な治療法は、外科的手術です。術式としては、大後頭孔減圧術と呼ばれるものです。この術式は、頭から首に移行する部分で、脊髄の周辺の空間を広げてやって、髄液の流れを良くするというものです。具体的には、後頭部の皮膚を10cmほど切開し、後頭骨を少し削り、1番の頚椎の椎弓をはずして、脳を覆っている硬膜と呼ばれる硬い膜を切開し、髄液が流れるスペースを充分に作ってあげます。この手術によって、多くの場合に、空洞を縮小させることができ、症状も軽快します。しかし、症状がある程度以上進行してしまったあとで、手術をしても、有効でない場合が多く、早期に診断して治療することが非常に重要です。ただし、小児の場合などには、症状が自然に改善することもまれではなく、手術前に充分な検討を行うことが必要です。

下のMRIの画像は、左が手術前の頚部を横から見た状態、右が手術後の画像です。手術前の画像では、左側の矢印の部分の脊髄に、大きな空洞があります。右側の手術後の画像の矢印部で、空洞が著明に縮小しているのがわかります。

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