絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

脊髄腫瘍

専門医が診察すれば、脊髄腫瘍の可能性を診断することができますが、そうでない場合、診断がなかなかつかず、遅れてしまう場合もあります。脊髄腫瘍が疑われれば、MRIの検査を行うことによって、診断を確定することができます。

髄外腫瘍

脊髄の外側に発生した腫瘍が、徐々に大きくなり、脊髄を圧迫することによって症状を出します。ほとんどは、良性の腫瘍で、手術で摘出することで治すことができます。主なものとしては、髄膜腫と、神経鞘腫があります。

(1)髄膜腫

脊髄にできる髄外腫瘍のなかで、最も多い腫瘍です。脊髄を包む硬膜という硬い膜の内側から発生します。下のMRIにあるように、脊髄を外側から圧迫し、症状を出します。

(2)神経鞘腫

髄外腫瘍の中で2番めに多い腫瘍で、脊髄から出た神経の膜の細胞から発生し、徐々に大きくなって、やはり、脊髄を外側から圧迫することにより、症状を出します。神経を圧迫することによって、痛みの症状でまず発症することが多いようです。

髄内腫瘍

髄内腫瘍は、脊髄そのものから発生する腫瘍で、やはり、腫瘍が徐々に増大することで、症状はゆっくりと進行します。主なものとしては、星細胞腫、上衣腫、血管芽腫があります。

(1)星細胞腫
星細胞腫は、脳のグリオーマと同じく、星細胞とよばれる細胞から発生します。小児に発生することが比較的多い腫瘍です。悪性度は、良性のものから極めて悪性のものまで、段階があります。
(2)上衣腫
上衣腫も、星細胞腫と同じく、グリオーマの仲間に入ります。上衣細胞とよばれる細胞から発生し、どちらかというと成人に多い腫瘍です。こちらも、悪性度は、良性のものから悪性のものまでわかれますが、星細胞腫に比べると、良性のものが多く、丁寧な手術をすれば、治癒することも可能です。
(3)血管芽腫
血管芽腫は、血管に富んだ良性腫瘍で、脳にも脊髄にも発生します。手術によって摘出することで、治癒することができますが、脊髄に発生した場合は、手術は脳に発生した場合より、手術はとてもデリケートなものとなり、技術と経験が必要になります。

ページの先頭へ