絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

水頭症

原因や病状が治療法の選択に一番重要です

先天的、後天的、原因を問わず、水頭症の進行速度(症状変化のスピード)の見極めが必要となります。この他にも、後天的な水頭症の場合では、原因の治療が可能で水頭症が一時的な病状か、永続的に残る病状なのか、原因の症状と水頭症の症状の程度など考慮し、治療法が選択されています。

水頭症そのものに対する治療として、一時的な(緊急避難的な)治療と、永続的な治療が行われています。

一時的な治療には、ドレナージと呼ばれる方法が一般的です。余分な脳脊髄液の一部分を頭蓋骨の外へ流す処置の総称です。頭の内圧を下げる事を目的とし、原因の治療が行われて脳脊髄液の流れが戻れば不要となります。短時間の処置で行える利点があり、第1に原因治療が行えない場合に、病状安定の為に行う治療です。先天的、後天的を問わず、頭の圧力が急上昇した状態による病状の不安定さを解除する為に行われる救急処置です。

水頭症の原因は除去されても水頭症の十分な改善が得られない場合や、病気が治った後に起こった場合、原因不明な場合などの病状には永続的な治療が行われます。主に2つあります。

シャント

<水頭症の治療>

松前光紀著「脳腫瘍の理解」クリニカルスタディvol.29,no.14,2008年 メヂカルフレンド社 イラスト:北原 功

お子さんから大人まで、年齢、原因を問わず行われている手術法です。本来の脳脊髄液の流れの一部分から、シャントチューブと呼ばれる細い管を用いて、頭以外の部分へ脳脊髄液を流す仕組みの総称です。お腹へ流す仕組みである脳室ム腹腔シャント(VPシャント)、血液に直接戻す仕組みである脳室ム心房シャント(VAシャント)などが一般的です。安定した治療効果が得られる優れた治療法ですが、様々な欠点も解ってきて、これらを補ういくつもの仕組みが考えられています。年齢や原因、病状に応じて使い分けられています。

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