絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

髄膜腫

小さな腫瘍で症状のないものは、外来でMRIなどを取りながら経過観察します。その過程で大きくなる傾向があり、予想される症状が重い場合には手術が検討されます。

大きなもので症状がある場合には、手術による摘出が基本です。腫瘍とその周りで脳を被っている膜、場合により頭蓋骨の一部を取り去る手術を行います。血管や神経を巻き込んでいる場合などは、腫瘍の大部分を取り去り残りの腫瘍にガンマナイフやサイバーナイフなどの放射線治療が加えられます。腫瘍ができた場所によっては、最初からガンマナイフやサイバーナイフなどの放射線治療が検討されますが、その場合大きさが3cm以下であることが原則です。この腫瘍は良性腫瘍ですが、頭を下から支える頭蓋底と呼ばれる頭蓋骨などに接して発生した場合、手術的には高度なテクニックが要求されます。

手術をした方が良いひと

髄膜腫の手術のついて明確な治療指針はありませんが、通常、20歳以下の若い人にできた場合、視神経のそばにできた場合には腫瘍が小さくても手術をしましょうというのが一般的です。

全部取れればOK

髄膜腫は基本良性腫瘍ですから手術で全部とれてしまえばそれで治療は終了です。ほかの腫瘍のようにあとから放射線治療や化学療法などは通常は行いません。

手術を受けた場合のリスク、後遺症について

髄膜腫の手術で起こりうる合併症としては大きく2つあると思います。

  1. 腫瘍がある場所により起こりうること
    例えば腫瘍が手、足を動かす場所にあった場合術後、手足に麻痺が出ることもありますし、目の神経のそばにあれば、視力が悪くなったり視野がかけたりすることがあります。
  2. 頭の手術を受けられる方皆さんに起こりうること
    脳炎、髄膜炎などの感染とてんかん発作などがあります。

最後にまとめ

たまたま髄膜腫が見つかったらまずは慌てず、様子を見ましょう。

大きくならないのであれば手術の必要はありません。

大きくなってくる傾向が見られた場合には治療を考えた方がよいです。その場合、腫瘍がどこのあるのか担当の先生に聞いて、手術が難しい場所であるのであれば担当の先生とよく相談してください。

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