絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

髄膜腫

たまたま見つけられてしまう髄膜腫

頭が痛い、頭をぶつけた、目が回るなど様々な理由で病院を訪れる方が多いですが、近年、頭部CT、MRI検査などが比較的簡単に行えるようになり、たまたま脳腫瘍が見つかることが多くなっています。

その中で、最も多い腫瘍が髄膜腫です。

そこで、たまたま行った頭部検査で髄膜腫と言われたらどうしたらよいか説明したいと思います。

脳腫瘍と言われてビックリ

多くの方が突然、脳腫瘍って言われるわけですからびっくりします。

頭の中が真っ白になって、それ以後先生がいろいろ説明してくれたけど記憶になく…

多くの方が一番最初はこんな感じだと思います。

髄膜腫はたちの良いできものです

  • 髄膜腫は脳を囲んでいる髄膜から発生しますので脳の表面にできる腫瘍です。
  • 98%良性腫瘍です。癌ではありませんからこれで直接命にかかわることはありません。
  • 好発年齢は中年以降で女性に多い傾向があります。
  • 発育がゆっくりなのでかなり大きくならないと症状を出さないことが多いです。大きくなると脳を圧迫し、頭痛、手足の運動麻痺、けいれんなどの症状がみられるようになります。逆に小さくても脳神経のそばにできた場合には複視、視野障害、耳鳴り、顔面のしびれなどを認めるときもあります。

すぐに手術しない!

偶然見つかった場合、腫瘍はまずそんなに大きいことはありませんし、症状がないわけですから通常すぐに手術とはなりません。

逆にそんなに大きくないのにすぐに手術しましょうと言う脳外科医はやめた方がよいでしょう。

まずは様子を見る

たまたま見つかった髄膜腫の場合、症状もないし、大きくもないわけですから、まずは3か月後、半年後とMRI検査を行い、大きくなるのかを経過観察します。

髄膜腫は通常6~7割は2mm~4mm/年で成長。3~4割は大きさが変わりません。

悪い腫瘍ではないのですから頭の中にあったとしても大きくならず、症状がないのであれば治療しなくてもよいのです。

大きくなってきた場合

半年、1年と様子を見ていて、徐々に大きくなってきた場合どうするか?

まずは年齢と発育スピードを考えます。

例えば、70歳でたまたま髄膜腫が見つかって、その時の大きさが1cmで、経過観察していたら1mm/年で大きくなっていることが分かったとします。この場合、平均寿命から考えると16年たったとしても2.6cmの大きさですから、ほとんどの場合症状を出しませんから手術せずに生涯を全う出来ると思われます。

ただ、若くして見つかった場合は大きくなるスピードから考えていずれ症状が出ると考えられる場合には治療を考えた方がよいでしょう。

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