絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

脳内出血

病気の原因と重症度を考えて治療法を選びます

大きく分けて2つの治療法があります。薬による治療(内科治療、保存的な治療)と手術による治療(外科治療)で、それぞれに利点・欠点があります。多くは、出血の量と症状の強さ、治療中の容態の変化などによって決まります。出血量が少なく症状が軽度である方や他の内臓の病気によって容態が不安定な場合などは薬の治療(内科治療)を中心に考え、ある程度以上の出血で症状が重く、病状が進んでしまう事が考えられる場合に手術治療(外科治療)をお勧めする事があります。また、脳血管の先天的な原因による場合は、出血の治療は内科的に、原因に対して外科的に治療を分けて行う事も考えています。

薬による治療

脳内出血を起こした直後の患者さんは、高血圧になっている事が多く、脈拍も含めてとても不安定です。突然の身体の変化に不安を感じてもがいてしまう方もおられます。出血を増やさない事を考え、血圧や脈拍を安定化させる為に絶対安静がまずは必要となります。さらに特に著しく高い血圧である場合は、血圧を下げる薬を用いて、積極的に安定化させる事も行われます。安定した段階で、運動麻痺等の症状に対するリハビリテーションを開始します。その他には脳浮腫(出血部の周りの脳のむくみ)や胃潰瘍(脳卒中を起こした際に高率に併せて起こす事が知られています)に対する治療が行われていきます。

手術による治療

脳内にある血腫の量を減らして、周囲の脳のダメージを減らす事が大きな目的となります。残念ながら、失っている(出血によって深く傷付いた)脳の機能を回復させる手術法は無く、全ての脳出血に手術が行われている訳ではありません。但し、病状(症状)の改善を考えて、大きく頭蓋骨を開いて取り除く方法と小さい穴を頭蓋骨に開けて針や内視鏡を入れて少しずつ吸い出す方法が手術として行われています。東海大学医学部付属病院では、東海大学医学部付属大磯病院と連係し、より侵襲(身体への負担)が少ない方法を治療法として考え、提案しています。

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