絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

血流障害の痛み

血流障害の痛みとは

手足の動脈が縮むと、その先の血液の流れが悪くなり、結果として手足の先の組織が貧血となります。貧血状態が長く続くと、やがて組織は機能を失い壊死(えし)と呼ばれる状態となります。その組織の表面は黒くなり、最悪の場合剥がれ落ちて指などを失うことがあります。この動脈が細くなり組織が機能を失いかけた状態を虚血(きょけつ)と呼びます。動脈が縮む状態を収縮(しゅうしゅく)と呼びますが、動脈が収縮するに従って痛み(疼痛 (とうつう))を感じます。さらに虚血となった組織から、痛みを強くする様々な物質が周囲に広がり、その物質は動脈を収縮させ、さらに痛みを強くし、そして痛みと虚血の悪循環が完成します。つまり痛みと虚血は手を取り合って患者さんを苦しめますので、これをまとめて血流障害の痛みと呼びます。

虚血の図

虚血の図

痛みの図

痛みの図

【糖尿病】

成人病の代表である糖尿病は、動脈硬化を引き起こします。特に足の膝から下の動脈が詰まることが多く、最近では手足の細い動脈が詰まる病気を末梢動脈疾患(PAD: Peripheral Arterial Disease)と表現します。足のPADの症状として有名なのは、間欠性跛行(かんけつせい はこう)があります。これは、少し歩くと足に痛みやしびれを感じ、しばらく休むとまた歩けるような症状です。その他、手足が冷たく感じる、軽いキズでも治りにくいなどの症状も要注意です。PADは、お年寄り、喫煙者、男性に多くみられます。

【バージャー病】

手足の先で細い血管が詰まる病気です。細い血管の炎症が原因とされていますが、まだはっきりとしていません。患者さんのほとんどが喫煙者で、40歳までの男性が多いとされています。症状として、手足が冷たくなる、安静にしていても痛みがある、間欠性跛行、ふくろはぎが赤く腫れるなどがあります。

【レイノー病】

手足の先で細い血管の流れが悪くなる病気です。手足の先が蒼白になる、痛みがあるなどの症状はバージャー病に似ていますが、40歳までの女性に多い事が特徴です。

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