絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

水頭症

脳室が大きくなる理由

脳脊髄液の流れる経路に明らかな障害が発生した場合と、それ以外の場合です。

  1. 脳室や通路の閉塞が起こって、流れが止まると、その部分よりも上流にあたる脳室が大きくなっていきます。脳の別の病気によって、二次的に水頭症が起こる事で、複合した病状となります。(具体的には、脳出血が脳室の中へ流れ込んで、血液の塊(血腫)が脳室や通路を閉塞させた場合、脳室や通路内に脳腫瘍が発生して閉塞させた場合など。)

    <脳腫瘍による水頭症>

    松前光紀著「脳腫瘍の理解」クリニカルスタディvol.29,no.14,2008年 メヂカルフレンド社 イラスト:北原 功

  2. 脳室や通路の閉塞の状態は無い(明らかな閉塞の部分は無い)が、流れが滞る事(が起こっていると想像される)で結果とし脳室拡大を起こす状態があります。原因はよく解っていない病状(生まれつきの異常も含まれます)から、特定の脳の病気(クモ膜下出血、髄膜炎など)に合併する病状まで原因は様々です。

  3. 流れとは関係なく、産生が過剰になる病気(脳室の中の特定の腫瘍)による場合も知られています。

先天性、後天性から見た原因

生まれつきの異常で起こっている水頭症を先天性水頭症と呼びます。先天的な障害(奇形)が原因となっている場合や、母体内での感染によって起こったと考えられる場合が良く知られていますが、特定の原因によるものや遺伝に場合は稀であると考えられています。先天性の場合でも、水頭症の理由として、流れの妨害(閉塞や狭窄)が明らかな病状と、妨害部位がはっきりしない(流れが滞っている事が想像される)病状とあります。

生まれた後に起こる水頭症が後天性水頭症と呼ばれます。原因としては

  1. 頭蓋内出血(脳室の内部への出血の波及、ケガによる硬膜下血腫など)
  2. 炎症(髄膜炎に代表される感染症など)
  3. 脳腫瘍
などが、年齢を問わず挙げられます。

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