絵で見る脳と神経の病気 代表的な病気をわかりやすくご説明します

頭のけが

脳を守る3層の保護膜の中で、硬膜とくも膜が重要です

脳の循環(血の巡り)に関係する血管(動・静脈)もこれらの膜によって守られている為、けがによって出血がおこります。脳の循環に関係する血管のダメージと出血による圧迫などにより、重篤なけがとなります。

脳を保護する膜と関連したけがは重症です。硬膜は頭蓋骨の内側で脳を守る膜の中で最もしっかりとした強固な膜です。けがの種類を区別する目安として用いられます。

急性硬膜外血腫

頭蓋骨骨折が起こり、膜の一部に強い力がかかって、血管が切れ頭蓋骨と硬膜の間に出血が起こる状態、これを硬膜外血腫と呼びます。

急性硬膜外血腫

硬膜と骨の間に血がたまります

急性硬膜下血腫

一方で、硬膜の下に血液が広がっていき血がたまる状態を硬膜下血腫と呼び区別しています。これは切れた血管や脳のダメージの程度の推定がこの2つでは異なる事によります。より脳に近い硬膜下血腫に重篤な場合が多く見られます。

急性硬膜下血腫

脳と硬膜の間に血がたまります

そして、脳全体をやわらかく覆う様に存在する膜がくも膜です。くも膜と脳の間をくも膜下と呼び、血液が広がった状態がくも膜下出血と呼ばれます。けがによっても、くも膜と脳の間にある脳の栄養血管の一部が切れると、くも膜下出血を起こします。くも膜は大変薄い為に、出血が多く硬膜下に広がる様な場合は、硬膜下血腫と同様に重篤です。これらの区別や程度を把握する為にCTスキャンが行われます。

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